denden's 山紀行

山と自然を愛するmont-dendenが綴る山ログ since 2010

2013夏縦走2日目~不帰嶮に挑戦

山行日:2013年 8月1日(木)~4日(日)
ルート:1日目 八方尾根~唐松岳頂上山荘(泊)
    2日目 ~唐松岳~不帰嶮~天狗山荘~白馬鑓ヶ岳~白馬岳頂上宿舎キャンプ地(泊)
    3日目 ~白馬岳~三国境~雪倉岳~水平道~朝日小屋キャンプ地(泊)
    4日目 ~朝日岳~五輪尾根~蓮華温泉
メンバー:mont-denden(ソロ)

 2日目の朝である。今日は2年前の夏,悪天候で断念した不帰嶮に挑戦だ!

 
 朝4:00に目が覚めたが,雨音が聞こえている・・・ くっそー!またしても雨か。

 今日の行程は,大キレット,八峰キレットと並び,日本三大キレットに数えられる不帰キレットを通過する難コースだ。ただでさえ通過に細心の注意を払うこのコース,雨で出発するのはさすがにちゅうちょする。
 だが,このまま小屋に連泊なんてことになれば,予定していた朝日岳までは到底行くことはできない。次はいつ来られるのかも分からない。雷さえ鳴らなければと腹をくくり,出発の準備を済ませて天候の回復を待つ。
 ※不帰キレットは天狗ノ頭と不帰1峰との間の鞍部全体のこと。不帰嶮はキレットの最難関で不帰1峰から不帰2峰の間のこと。

5:55 雨が小降りになってきた。覚悟を決めて出発! もう引き返せない。

6:10 唐松岳頂上 ガスで展望なし。
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 小降りになったとは言え,西から吹き付ける風が強く一眼レフはザックから出せない。
 不帰嶮通過の証拠写真は仕方ないのでケータイで撮ることにした。(これが後ほど大失敗に・・・)

 不帰キレットの通過は,核心部が登りになる天狗ノ頭→唐松岳の順が一般的で,不帰の各々の峰も1峰,2峰,3峰と南下する順で名前がつけられている。
 今回は逆コースから行くので最初に通過するのは不帰3峰である。しかし,緊張しているせいか天候のせいなのか,3峰は知らぬ間に通過。

6:45 不帰2峰南峰に到着。
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 ここまではどうと言うことはない道。ただし,雨が横殴りになってきた。(汗)
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7:00 不帰2峰北峰に到着。さてと問題はここから先だ・・・
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 上の地点を通過後はいよいよ核心部! いきなりクサリの連続する急な下りだ。

 ケータイカメラのレンズ部に水滴がついてしまうため。こんな写真しか撮れない。
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 急な岩場に道がジグザグについている。雨とガスのせいで周囲の風景が見えないため,自分がどこを歩いているのか分からなくなってくる。
 雨で岩が滑るので,足を置く場所を慎重に選びながら下る。

 ここが不帰嶮の中心部? [唐松岳 不帰嶮 白馬岳]の道しるべ
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 垂直に聳え立つ大きな岩にへばりつくように進む。
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 右下から上に伸びるクサリがわかるだろうか。剱岳のカニの横ばいのような岩場?
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7:35 核心部を通過して2峰を振り返る。ようやく一息ついた。
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 雨でソールのグリップ力が信用できない。1峰までの登りは結構な急勾配でクサリがあってもいいくらいだ。

 不帰1峰の頭に到着。相変わらず展望ゼロ・・・
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 不帰1峰からやや緩くなった斜面を下ったところが,不帰キレットの最低鞍部だ。
 ここでしっかり休めばいいものを,ここが最低鞍部などとは知らずに先へ進んでしまった。

 いやあ,登る登る!ガレガレ,ザレザレの急斜面。いつの間にか「天狗の大下り」に突入してしまっている。
 天狗の大下りも雨とガスのせいで全容がまったく見えない。いったいこの登りはいつまで続くのか・・・ 通常とは逆コースなので「天狗の大登り」になってしまった。(汗)

 天狗の大登りの最後の長いクサリでは,学生7名のパーティーと遭遇。
 クサリの使い方ができておらず危なっかしくて見ていられない。
 あせらせてはいけないし,ペースを乱さしてもだめだ。全員が下りてくるまで待った。
 ひとりに「キレット大丈夫ですかね?」と聞かれ,「こちらからだと難しいところは登りになるし,足を置く場所を丁寧に選んでいけば大丈夫だよ。」とアドバイス。

 彼らが下りるまで15分近く待ったので,身体がすっかり冷えてしまった・・・

9:45 天狗の頭に到着。
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 天狗の頭はめちゃくちゃ風が強かった。西から容赦なく吹き付け,ザックに当たって体を反時計回りに回そうとする。ぬれた身体から体温を容赦なく奪っていく。寒い・・・
 ただし,アップダウンがない稜線なので,きっと晴れたら素晴らしい景色が見られるのだろう。

10:05 天狗山荘に到着。
 天狗山荘はオアシスのように感じた。主人の奥さんなのだろうか,到着すると「おつかれさま。休憩室は自由に使っていいですよ。自炊してもいいですよ。なにか用事があれば声をかけてくださいね。」と言ってくれる。これはさすがにうれしい! 2年前にここでテント泊したときも同じ言葉を聞いた。信じられないくらい登山者にやさしい山小屋である。いつか泊まってみたい。

 不帰キレットですれ違った登山客は11人。1組の夫婦,7人の学生パーティー,単独行の男性が2人である。 だが,私と同じ方向に歩いてきた人とは誰とも会わなかった。天狗山荘の奥さん?によると,やはりここまで私以外はいないようである。

 天狗山荘の休憩室。2年前もお世話になった。(寒くてさすがにビールは飲めない。)
2013夏縦-06

 冷えきった身体を暖めるため,ウイスキーをストレートでほんの少し飲んだ。

 マルちゃん正麺を作って食べた。内側からじわーっと暖まってくる。
2013夏縦-07

11:10 なんとか指先まで血の巡りを感じられるようになり天狗山荘を出発。
 ここから先は2年前も歩いた道だ。

12:15 白馬鑓ヶ岳山頂に到着。相変わらず展望なし!
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 さすがに花で有名な山域。色とりどりの花が咲いていた。
2013夏縦-10

 途中,衣替えが終わらないブチの雷鳥数羽とご対面するも,有名な山域なのにあまりすれ違う人はいない。それは間違いなくこの悪天候のせいなのだ。
 それでも午後を過ぎて,ようやく空が明るくなり始める。真上を見上げるとうっすら青空が垣間見える。一眼レフもザックから取り出した。

2013夏縦-11

2013夏縦-12

2013夏縦-13

 もう少しで今日の目的地である白馬岳頂上宿舎だ。大雪渓を登って小屋を目指す客が列をなしている。
 この天候なのにさすが白馬岳! 

 写真では分かりづらいが登山客が続々と登ってくる。 
2013夏縦-16

2013夏縦-18

14:05 白馬岳頂上宿舎キャンプ地に到着
 風は強いが雨はすっかりやんでいる。混雑が予想される小屋泊はまっぴらごめんなので,多少の風には目をつぶり,ここは迷わずテントを設営。

 このキャンプ地は私が初めてテントを張った思い出の場所だ。あのときは荷揚げのヘリが着陸するからと,朝早くテントを撤収させられたっけ・・・

2013夏縦-19

 風と格闘しながら,なんとかテントの設営に成功! 中には突風にテントをはじかれ,手を切ってしまう方もいた。

 悪天候,険しく長い道,体力を消耗したが変化に富んでいて思いのほか楽しかった。テントの中でまったりと今日を振り返る。 

 ディナーは,めんたいこスパゲティ。うまーし! (テントの色が反射して黄色い。)
2013夏縦-20

 今日は,今回の最大の目的である「不帰嶮」を無事通過できた。2年前に天狗山荘でキャンプした朝,強風で先を諦めて以来,いつか再挑戦してやろうと考えていた。達成できてとても満足である。

 不帰嶮の率直な感想は確かに険しい! クサリの連続で重い荷を背負っているのならバランスに要注意,体力もそれなりに要る。高所恐怖症の方には決してお勧めできない。
 だが,クサリやはしごがしっかりと整備されており,慎重に進めばそれほど難しいコースではないと感じた。核心部の通過はわずかな時間だし,それどころか静かに山行を楽しめる良いコースだと思う。
 次は晴れた日に再度訪れてみたい。

<番外編>
 午後4時ころ,南アルプスは赤石岳に単独行している山仲間のm109さんからメールが届いた。
 なになに?今日は早く到着したけど赤石岳避難小屋に泊まるうんぬん・・・
 次を読もうとスクロールしようとしたら,なんとそこでケータイがフリーズ!
 再起動もできないので,仕方なく電池を外して付け直してみる。
 今度は明らかにトラブルを示すブルーライトの画面が・・・
 ケータイカメラで不帰嶮通過の証拠写真を撮っていたのが原因なのだ!
 以後,家族とも連絡が取れず・・・(汗,汗) 

 ※写真をアップできたのは,帰宅後に,カメラを適度な湿度で保管する「オートドライ」に,一晩ケータイを入れておいたところ奇跡的に復活したのでした。よかったー!


 3日目は晴れますように・・・

 

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