denden's 山紀行

山と自然を愛するmont-dendenが綴る山ログ since 2010

下ノ廊下(その2)

山行日:2012年10月19日(金)~21日(日)
ルート:黒部ダム~ロッジくろよんキャンプ地(泊)
    ロッジくろよん~黒部ダム~旧日電歩道~仙人谷ダム~阿曽原温泉キャンプ地(泊)
    阿曽原温泉~水平歩道~欅平
メンバー:mont-denden(ソロ)


<いよいよ下ノ廊下へ>

 下ノ廊下へ行くには,一度トロバスのホームまで戻る必要がある。早朝なので戻る道も一般的なルートではない。(ここで前日の確認が生きてくる)
 ホームから,さらにバスの進行方向へ進んでいくと下の写真の場所に出る。「登山者出口」という案内には違和感があるが,ここを左へ向かうとすぐに水場とトイレがある。
(阿曽原温泉までトイレはないので行っておいたほうがいい)

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 ダム施設から登山道に出ると,まずは黒部川までのジグザグの下りだ。
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 下りきったところに橋(木道)が架かっており,見上げると黒部ダムが高い!大きい!!
 この橋を渡って黒部川の左岸に出ると下流へと向かう登山道がつけられている。

 黒部川下流から見上げる黒部ダム 
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 登山道には「旧日電歩道」という案内板が立てられていた。
 旧日電歩道とは,黒部ダムからずっと下流にある仙人谷ダムまで続く道で,旧日本電力(当時唯一の電力会社)が電源開発のために人口的に崖を掘削して作った道である。

 しばらく歩いていくと森林から視界が開け,下の写真のような絶景が目に飛び込んできた。
 これだけでも息を飲むほど素晴らしい! 黒部峡谷おそるべし!

 前を行くは山女子。僕も彼女も写真を撮るものだから,追い抜いたり追い越されたり・・・
「景色が気になって前に進めませんね~!」と挨拶。

 左岸の岩肌には一条の線がある。それがこれから歩いていく道だ。

 立ち止まって何枚も写真を撮った。
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 登山道の途中には,道のメンテナンスのための道具や資材が何カ所にも置いてあった。
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 登山者に注意を促す看板にはヘルメットの着用をおすすめするとある。
 落石だけではなく,足元ばかりを気にしていると頭上の岩に頭をぶつける心配があるため,その対策としてとても有効なのだ。事実ヘルメットの着用率はかなり高かった。

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8:10 内蔵助谷出合に到着
 内蔵助谷の左手には見たこともないような巨大な岩壁がそびえていた。
 地図で確認すると,丸山東壁-黒部の巨人-黒部三大岩壁と三重に記載がある。
 写真ではそのスケール感を伝えることは難しいが,それはそれはデッカイ岩だった。

 黒部三大岩壁のひとつ丸山東壁
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 岩壁中央には巨人の顔が!
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 あんなところに木がある! 枯れてしまっているが,よくもまあ,そこまで成長したものだ。
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 この辺りは,まだまだ川底近くの道で高度感はない。

 ちょっと河原で休憩。振り返れば黒部の巨人。
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 おやつに,昨日買った「ざっくりポテト黒部ダムカレー風味」(笑)
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 その先を歩いていくと,またしても巨大な岩壁がそびえ立っていた。
 地図には大タテガビン南東壁-黒部の魔神-黒部三大岩壁とある。
 巨人だの魔神だの黒部ってホントにすごい!
 (夏に行った雲ノ平あたりには黒部の山賊もいたらしいし・・・笑)

 黒部三大岩壁のひとつ,大タテガビン南東壁
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 前方には赤く染まった稜線がきれい。
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 黄色もきれい。
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 このコースの見どころのひとつは,黒部川本流に流れ込む滝である。
 黒部峡谷が断崖絶壁の深い谷のため,いくつもの落差のある滝が見られるのだ。

 鳴沢小沢のナメ滝
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 前方の岩壁もでっかい。
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 対岸には新越沢の滝。岩壁のスケールが大きい。
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 このあたりはアップダウンが連続し,ずっと水平な道を想像していたのに疲れる疲れる。(汗)

 まだ分厚い雪が残っていた。登山道はどこ?
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10:00 大タテガビン沢
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 これから先は徐々に険しくなっていった。要所要所に手がかり用の針金番線が取り付けられていて,これがあるのと無いのでは大違い!さわっているだけで安心感がある。

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 左右の岩壁がだんだん狭まってくる。 
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 危険箇所には丸太橋が。(感謝)
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 残雪のトンネル。
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 振り返ってみれば,あんな道を通ってきたのだ。落ちたらまず助からないので確実に慎重に歩く。
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 岩壁をへつってこしらえた道。下ばかり気にしていると鋭く尖った岩に頭をぶつけることになる。
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 みなさん,慎重に慎重に・・・
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 絶壁につけられた道。
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 道の途中が危険らしく,丸太のはしごと橋が設置されており大きく高巻きする。
 これが,怖いのなんのって・・・

 こんな絶壁にどうやって架けたんだ?
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10:50 黒部別山谷出合に到着。
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 ヘルメットの装着率が高いのだ。ここから先が問題のルートである・・・
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 よくぞ,こんなところを切り拓いたものだ。すごい・・・
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 両岩壁が急激に狭まってきた。もう「白竜峡」に差し掛かっていると思われる。
 白竜峡は,ルート上で一番危険な箇所だ。アップダウンがないので体力的には問題ないが,緊張の連続で心が休まらない。根負けしないよう胸の中で闘いながら進む。

 道幅は,ひとり分しかなく,針金につかまらないと進めない。
 本当はもっと怖い場所がたくさんあったが,写真など撮っている場合ではないのである。

 大きなザックは岩に引っ掛けやすくて危険!
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 水量は少なめだったが青くてきれいな流れ。
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 高さは一定でも水平方向にはジグザク。 
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 核心部!白竜峡のゴルジュ帯。でも素晴らしい眺め・・・
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 次は丸太で作られた道。
 阿曽原温泉小屋のHPで確認すると,どうも崩落面を復旧したようである。(頭が下がります。)

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 やっとの思いで白竜峡を過ぎ,緊張から解き放たれる。
 歩きやすい道をしばらく行くと,このルート上では珍しい広場があった。地図には「十字峡広場」と記載されており,大勢の人がここで休憩していた。

 そこを過ぎると赤い吊り橋が架かっている。
 橋の下の沢は「剱沢」で,剱沢キャンプ場でのキャンプを思い出した。
 あの水がここで黒部川に合流すると思うと感慨深いのだ。

 剱沢上に架かるつり橋
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 橋の上からは「十字峡」が望める。(下の写真)
 十字峡とは,黒部川本流の左岸から剱沢が,右岸からは棒小屋沢が十字に交わる地点である。

 手前から剱沢,奥からは棒小屋沢の小さな流れが見える。(右上から左下にかけてが黒部川本流)
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 どこまでも続く断崖絶壁の道
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水面が青く反射してとてもきれい。
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 断崖絶壁には変わりはないが,道幅が広いだけ白竜峡よりマシだ。
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 絶壁を恐る恐る歩いていると,信じられないような絶景が目に飛び込んできた!S字峡である。
 ルート上で一番の名勝は十字峡かもしれないが,mont-denden的にはこちらのほうが素晴らしい。
 この景色は記憶にあった。それは2007年のヤマケイJOY秋号に載っていた写真である。シャッターを切り,カメラの液晶を確認した瞬間に気がついた。そう!この景色を撮りたかったのである。

 ちょーお気に入り。あとで全紙にプリントして居間に飾ろう。
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 よくもまあ,こんな道を作ったものだ。
 ダイナマイトでぶっ飛ばしながら進んだそうである。トンネルを掘るのと変わらないではないか。

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 難所ばかりで怖かった旧日電歩道も,いよいよ終わりが近づいてきた。ずっと水平だった道が下り始めたのである。
 対岸には「黒四発電所」と書かれたトンネルみたいな施設から送電線が伸びている。

 あれ?黒四発電所って黒部ダムの近くではないの?
 調べてみれば,黒部ダムよりもずっと下流にあり,黒部ダムの右岸から取水した水をここまで引き込んで発電しているらしい。環境保護のためと厳冬期の雪崩対策として,発電施設,輸送ルート,送水管はすべて地下に作られているそうだ。

 発電所からの送電口(この左にも同じ施設が並んでいた。)
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 下り続けて川底が近づいてくると,谷はかなり広くなっていて,そこに立派な吊り橋が架かっていた。
 ひとりずつ渡れとの注意書きがあるので順番に渡る。風が強かったらかなり怖いと思われる・・・

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 右岸に渡ると広い河原が展開しており,大勢の登山客が休憩していた。僕は休憩せずにそこを通過する。
 電源開発のために作られた古いスノーシェッド?みたいな施設を通過して広い道に出ると,左手には仙人谷ダムのダム湖が広がっていた。


その3に続く・・・

3 Comments

mont-denden says..."Re: タイトルなし"
2号kakaさん今晩は!
どうぞご自由に!むしろ嬉しいです。(^^♪
2015.11.20 18:14 | URL | #- [edit]
えれぇこった2号 says...""
画像を勝手に使いますm(__)m
私のBlogにアップしちゃいます。
怒らないでねm(__)m
2015.11.19 23:37 | URL | #Wn.2/1uk [edit]
えれぇこった2号 says...""
残雪のトンネル素敵ですね!!
今に飾ろうって書いてあった写真綺麗ですね。
どうしてあんな素敵な写真が撮れるのか、不思議です。

今すぐにでも行ってみたい気持ちと、高所恐怖症の私は歩けるのだろうか???の不安が。。。。

来年歩いてみたいなぁ。。。。
2015.10.26 23:20 | URL | #yl2HcnkM [edit]

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