denden's 山紀行

山と自然を愛するmont-dendenが綴る山ログ since 2010

2012夏季縦走(3日目)

山行日:2012年8月3日(金)~8月6日(月)
ルート:折立~薬師峠キャンプ場(泊)
    ~太郎兵衛平~薬師沢~祖母岳~雲ノ平キャンプ場(泊)
    ~祖父岳~水晶岳~野口五郎岳小屋(泊)
    ~烏帽子小屋~高瀬ダム
メンバー:mont-denden(ソロ)


3:30 早めの起床である。 読売新道は諦めたものの,烏帽子小屋までの行程だとて途中で水晶岳をピストンすればそれなりに長いからだ。
 本日の朝食は山ヤ定番の棒ラーメン。生野菜をたくさん刻んで入れたのでウマし。
 雨は降らなかったはずなのにフライシートの表面が濡れていた。裏面も結露しているのでバサバサやって仕舞うよりも,拭いたほうが精神的にいいし荷も軽くなる。なので,化繊のタオルで丁寧にフキフキする。
 そんなこんなで片付けに手間取り,早起きしたにもかかわらず出発が遅くなってしまった。
5:30 はるばる岩手から北アルプス征服にやって来た彼と,たまたま実家が同郷だった隣の彼女に挨拶をして出発した。

 今朝も快晴! 朝日に照らされ黒部五郎岳が美しい。

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 キャンプ場を出発するとき,きのう読売新道に挑戦すると言っていた彼とばったり会った。まだ出発の準備ができていないようで「寝坊したので読売新道はやめて三俣山荘方面に行く」とのこと・・・(笑)

 キャンプ場を後にして少し歩いたこの辺りがスイス庭園だろう。途中に左へ向かう分岐があったが先を急ぐため本道を直進する。雲ノ平にいよいよ別れを告げるのである。

スイス庭園からの水晶岳。ヨーロヨーロラリホー♪

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 雲ノ平はストレスとは無縁の世界であり,平らかで時間が過ぎるのを忘れそうになるくらい気持ちの良い場所であった。次回は3泊くらいしてみたいぞ雲ノ平! さようならグッバイ!(笑)

 木道が終わった途端に変化に富んだ道に変わる。残雪が多くまだ夏道が出来ていないところがあり,雪渓をトラバースしたり回り込んだりしながら歩いた。突然ぬかるみにブーツがズボッと嵌って泥だらけになる。夏道に戻るとハイ松の藪こぎがあったり・・・ と思ったらまたまた木道が出現する。
 そうこうしているうちに黒部源流方面と祖父岳へ向かう道の分岐に出た。
 木道のない祖父岳方面へと向かう。

 祖父岳への登りで道を間違えてしまった。雪渓を渡るべきところで雪渓に行かず山側へ。進んでいくと間もなく道を見失ってしまう。見下ろせば雪渓上に付けられた赤い道筋が・・・ 慌ててルートに戻る。

 早くあの展望台に到着したい!

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 祖父岳へ登る途中から。画面左下にお世話になった雲ノ平キャンプ場が見える。

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6:55 祖父岳山頂に到着。
 祖父岳に隠れてなかなか見えなかった鷲羽が目の前にドーン!その先には双六岳,さらに奥には憧れの槍穂山群だ。
 いやはや贅沢な景色である,サイコー!! 槍先は遠くにありて見ゆるもの・・・(どっかで読んだな)
 すると手前の谷がやがて黒部源流となるのだろうか。あの雪渓が黒部川のはじまり?

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 アップで。西鎌尾根や硫黄岳へ続く稜線がよくわかる。
 やはり槍や穂高は雲ノ平周辺の山より荒々しいなあ・・・

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 三俣蓮華岳 左の裾野には三俣山荘が見える。

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 三俣蓮華岳の奥には笠ヶ岳

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 笠ヶ岳をアップで

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 黒部五郎岳 手前の台地は日本庭園。いずれ黒部源流を訪れるときにはあそこも歩こう。
 まだ月が見えている・・・

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 五郎カールをアップで。
 2年前にあそこに行ったときは「こんなに美しい場所がこの世にあったのか!」というくらい感動した。大きな岩がたくさんあって雪渓があって緑があって小川が流れていて花が咲いていた。
 私の中では北アルプスの好きな場所ナンバー3に入るくらいのお気に入りである。

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 北方面 手前の台地はスイス庭園で右の山が水晶岳。

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 アップにすると,赤牛岳の奥に立山や剱岳。その手前左側には五色ヶ原も見える。
 五色ヶ原でのキャンプも気持ちが良かった。広々として花がたくさん咲いていて雲ノ平にも負けないぐらいである。また行ってみたい・・・

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 薬師岳 正直言ってこのエリアではコイツが一番目立っていると思う。
 何度も書くが,デカイデカイでかすぎる山である。

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 祖父岳に登ってすぐに周囲の山々の写真を撮り始めたため,山頂の様子を観察するのを忘れていた。到着したときは私のほかには1人しかいなかったのに,いつの間にこんなに・・・ みんな同じ方角を見ている。やはり槍ヶ岳が気になる様子。
 祖父岳への登りは見た目より傾斜があって,あまり整備されておらず登りづらい道だったが,山頂は平らで広々。360度の展望,最高のお天気。祖父岳サイコー!
 ずっとここに居て景色を楽しんでいたいが,今日の行程ままだまだ長い。
 名残惜しいが7:20祖父岳山頂を後にする。 

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 祖父岳を下る途中にも,チングルマやハクサンイチゲがたくさん咲いていて目を楽しませてくれた。

8:00 岩苔乗越に到着
 ここは水晶岳へ向かう道と黒部源流から高天原に続く道の交差点だ。
 地図ではここに水マークが印してあるが要注意! 水場は高天原方面に向かって標高差200mほども下った場所である。ありえない! キャンプ場で水たくさ汲んでおいてよかったー!

 ここでも長居をしてしまう。小腹が空いたのと,眼鏡からコンタクトレンズに変えるのに手間取ったからだ。山に行くときくらいしかコンタクトレンズを使用しないこともあって,これホントに難しい・・・

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 ここからの薬師岳は絶景だなー。
 たくさん写真を撮ったので,カメラの電池の残量表示が早くも減りだした。最終日まで持つか不安。

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 すぐにワリモ北分岐に。
 ここから先は二度目の道。2006年に新穂高温泉から入って裏銀座を歩いた。
 あれからもう6年も経つのか・・・

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 右手前がさっきまで山頂にいた祖父岳。その奥には黒部五郎岳。
 少し雲が出てきて綺麗な景色だなあ・・・

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 水晶岳と,高天原温泉へと続く岩苔小谷

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 地図で赤ノ池とある辺りか。画面右,半分切れている水溜り跡が赤ノ池???
 ここにもお花畑が広がっていて目を楽しませてくれた。

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 後を振り返れば槍ヶ岳と穂高

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 再び雲ノ平を見下ろせる場所まで登って来た。雲ノ平山荘が小さい。

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 これ何という花?

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9:30 水晶小屋に到着する。
 縦走に来てひとつも百名山に登らないのもナンだから,ここにザックを置いて水晶岳をピストンすることにした。
 6年前に来たときは,サブザックにカメラ(当時は銀塩の一眼レフ)とポカリを入れて水晶に向かったが大失敗を演じる! なんとポカリの蓋が緩んでいてカメラに浸水してしまったのだ! なので以後は写真が撮れなかった。さらにその時は2kg近い三脚も持ってきていたので本当に心が折れた・・・
 今回もカメラとアクエリアスを持って水晶を目指したが,そのときの失敗を糧にカメラは首に下げたままである。(笑)


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 目指す水晶岳への稜線

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 山頂には多くの人影が見える。

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 隣の裏銀座の稜線。最奥に見える安達太良山の乳首みたいなヤツが烏帽子岳だろう。
 今日はあのあたりまで歩く予定だ。まだまだ先が長い。

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 水晶岳の山頂が近づいてくる。

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 稜線から見た雲ノ平方面。西から沸いた雲があっと言う間に近づいてくる。

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 おっと,道を塞ぐ君は誰? 馴れているのか全く人目を気にせず砂浴びしていた。
 今年も無事雷鳥に出会えた。

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 子供は放っておいて砂浴びに没頭するなんてダメ親なのか。それとも注意を親に引き付けて子を守るための行動なのだろうか。近くには子の雷鳥がいた。 

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 10:00 水晶岳山頂に到着。
 山頂では私ひとりきり。水晶岳を独占である。(笑)

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 しばらく景色を眺めながら感慨にふけっていると,五十代半ばくらいの男性が到着した。記念写真を撮って欲しいとのことでシャッターを押して差し上げる。ほかに誰もいないので少しの間二人で話をしながら過ごした。
 彼は若い頃に大学の山岳部に所属していた経験があり,白馬岳から上高地まで11日間かけて縦走したことが思い出だそうである。当時は貧乏学生であり山小屋では水以外の補給はいっさいせず,ビールの1本も買わなかったとのこと。なので食料はすべて持参,実に40kgもの荷を担いで入山したそうだ。
 そのときに登りたかったが登り残した山があったそうで,山から離れた今となっては思い出せなかったが,友人に聞くと水晶岳ではなかったか?ということになり,数十年経った後,ひとりで登りに来たそうである。
 ロマンだなあ・・・

 山頂から水晶小屋への復路方面。背景の北鎌尾根が迫力だ。奥には表銀座の稜線も。

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 いつかは挑戦したい読売新道の稜線

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 水晶岳からの薬師岳

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 遠くに見えていた黒部湖をアップで。

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 水晶小屋から水晶岳山頂までのピストン,6年前はあっという間だった気がしたのに結構な距離を感じたのは年のせい?
 復路で,読売新道を寝坊で諦めた彼と再会。彼は「ここまで来るのは薬師沢から雲ノ平へ登るよりも疲れた。読売新道なんて行かなくて本当に良かった。」と言っていた。おいおい・・・(笑) 今夜の宿泊地は三俣蓮華キャンプ場だそうである。

 復路から見る水晶小屋 バックには真砂岳や野口五郎岳が聳えている。右は湯俣温泉へと続く稜線だ。

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 さてと・・・ 水晶小屋でゆっくりしている暇はない,まだ目的地は遠いのだ。少し腹が減ってきたが,ここはシリアルやクッキーなどの行動食で済まして先に向かう。

11:05 下の写真は,水晶小屋から真砂岳方面へ下った場所で撮影。
 水晶小屋の直下があんなに崩れいているし,下りがこんなに険しかった覚えはない。
 人の記憶とは本当に曖昧である・・・

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11:20 真砂岳に向かう途中の最低鞍部である東沢乗越に到着。
 今朝は雲ひとつない快晴であったのに,雲が多くなってきたどころか暗雲が垂れ込めてきた。
 6年前にこの稜線上で雷が鳴り始め,野口五郎小屋へダッシュしたことが頭をよぎる・・・(汗)

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 お,団体客のパーティーが先行している。雲ノ平では見かけなかったが・・・

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 山頂が雲で覆われてなかなか姿を見せなかったが,燕岳や大天井岳も現れた。

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 バリエーションルートしかないので行くことはないだろうが,硫黄岳の山肌が異彩を放っている。

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 このあたりの道はゴロゴロとした岩が多くとても歩きにくかった。以前はこんなだったけかな?

 今回のルートでは意外に近くに感じられなかった鷲羽岳。
 たぶん形の綺麗な鷲羽を見るのはこれが見納めだ。

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 ところで明日以降の予定だが,この時点で考えていたことが2パターンあった。
 1 烏帽子小屋のテン場まで行き,予備日を使い切り1泊追加して不動岳,船窪岳へと縦走を続ける。
 2 まさに今,もうすぐ現れる分岐を湯俣へ下り,温泉に浸かる。

 実は,烏帽子からブナ立尾根を下って高瀬ダムへ下山するルートは避けたい理由があった。
 6年前に通った道であることも理由のひとつだが,最大の理由は,職場の山仲間であるm109さんが,数日前に単独行でまったく同じようなコースを歩いていたため,ブナ立尾根を下ると本当の真似になってしまうからである。(笑)
 だから何としてもパターン1または2を実践したかったのだ。

 真砂岳手前の分岐に到着して,改めて地図を広げコースタイムを確認してみる。湯俣と烏帽子,どちらへ向かうか・・・
 湯俣へと延びる竹村新道はアップダウンがあって見るからに辛そうである。コースタイムも長く,しかもガレ場ありロープありと記載がある。ややバテ気味でもあり残された体力と相談した結果,パターン1を選択する。
 これは,雲ノ平でキャンプの受付をしたときに決めた予定のコースでもある。

 真砂岳はもうすぐだ。山頂へつけられた道はなく,山腹をトラバースする道が見える。
 それにしてもガスが濃くなってきたぞ。雷鳴はないものの気分的にブルーになってくる。

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13:15 もう野口五郎小屋が近いはずである。野口五郎岳頂上への分岐点に出た。
 しかし,ここも頂上とたいして変わらないし,このガスでは景色も何も無い。なので山頂をパスして先を急ぐ。

 このあたりの山は花崗岩でできており実に真っ白な世界だ。太陽に照らされた野口五郎岳を水晶岳あたりから見ると,ギラギラである!!

 シロイルカ。燕岳のイルカに比べると少し不細工か。

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 周囲は全部花崗岩

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 今度は魚が現れた。熱帯魚のプレコみたいだ。

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13:30 野口五郎小屋に到着。
 2006年に引き続きガスの中から小屋は突然に現れた。あのときは雷鳴が響いており生きた心地がしなかったが,今日はまだ聞こえない。
 記憶が確かなら,ここから烏帽子小屋までの稜線は頑張った人に与えられる楽々ご褒美コースのはず。
 ここで少し休んでから出発しよう・・・

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 ・・・ところが私が小屋に着くのを待っていたかのように,雨がザーザーと降り出したのだ。!
 ここから烏帽子小屋までは2時間ちょいだが,この雨では行く気が萎える。まして烏帽子のキャンプ場で雨の中テントを張ることを考えたら・・・
 ここに泊まってしまえば翌日はブナ立尾根を下山するしか選択肢がない。なぜなら今日中に烏帽子小屋まで行かなければ,その先の船窪小屋までは遠すぎるからだ。この縦走中,最大の葛藤である・・・

 そして結論! 山小屋で天気予報を聞いたりして散々悩んで出した結論は「安全山歩き」である。 ビールを買ってプハーっとやって諦めることにする。今夜は不本意ではあるが山小屋のお世話になることにした。

 山小屋では東沢乗越で見かけ,途中で追い越してきた団体客がすごかった。彼らは大阪や神戸からのツアー客で,そのにぎやかなことと言ったら・・・ 笑いをとる術は関東人の比ではない!
 とても私とは周波数が合わないので,自炊場に避難して昼食とも夕食とも言えない食事を作る。簡単に永谷園のお吸い物パスタを作って食べた。

 山ノ神に明日以降の行動予定を告げ,寝室で床を拵える。混んでいるので最初は二人で1枚の布団を使って欲しいと言われたが,後に小屋の方から「これ以上客が来なかったら,余ったスペースと布団を使ってもいいですよ。」とのありがたいお言葉。結局,ひとりで布団1組を確保することができた。

 夕方になった。慣れない山小屋泊でも眠れるよう早めの時刻から寝床でワイルドターキーをちびちびと飲る。しかし,旅人たちの楽しそうな宴はそれを許してくれない。
 仕方がないので,こんなときのためにファーストエイドキットに潜ませておいた睡眠改善薬「ドリエル」を飲んだ。すると瞬く間もなく深く落ちていった・・・

 ところが夜中にドッカーンという大音響で目が覚めた! 雷だ!しかも思いっきり近い!!
 夜中に起こされ不快であったが,烏帽子まで行かなくて本当に良かったと思った。この雷の中,テントで朝まで耐えるのは厳しすぎる!! 関西人の鼾も相当な騒音であったが雷鳴に比べると恐怖感はない。
 雷鳴にも慣れてくるとドリエルの効果が残っていたのか,再び落ちていく・・・
 明日天気予報が外れて晴れたら,稜線でご来光を眺めながらウイスキーを飲もう・・・

(4日目へ続く・・・)

2 Comments

mont-denden says..."Re:青い花"
ブログ,早く続きをアップしてください!
m109さんが歩いた雲ノ平~裏銀座,どんな目線で歩いたのか興味津々です。楽しみにしています。

良いコースでしたね。m109さんはもう来年のプランが出来上がっていたりして・・・(笑)
2012.08.24 23:45 | URL | #- [edit]
m109 says..."青い花"
青い花はミヤマオダマキだと思います。
私の前を歩いていたテント泊の男性が教えてくれました。
(後日ブログにUPしますが、この方は日本海を目指していました)
水晶小屋への最後の登りはきついですが、花畑がきれいでしたね!
2012.08.21 22:23 | URL | #- [edit]

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