denden's 山紀行

山と自然を愛するmont-dendenが綴る山ログ since 2010

2012夏季縦走(2日目)

山行日:2012年8月3日(金)~8月6日(月)
ルート:折立~薬師峠キャンプ場(泊)
    ~太郎兵衛平~薬師沢~祖母岳~雲ノ平キャンプ場(泊)
    ~祖父岳~水晶岳~野口五郎岳小屋(泊)
    ~烏帽子小屋~高瀬ダム
メンバー:mont-denden(ソロ)

4:15 起床 まだ金星が輝いている中,朝食は手っ取り早くチキンラーメンに玉子を落とす。
5:45 出発 雲ひとつない快晴だ! 太郎平小屋に向かう小高い場所では槍ヶ岳まで良く見えた。



 
 昨日見えていた周囲の山々は更によく見える。北ノ俣岳や黒部五郎岳が大きい。太郎平小屋の右奥に浮かんでいるのは白山だろうか。だが日本海までは見えなかった。いつかは北アルプスから日本海を望んでみたい。
 いつの間にか金星は消え,背後の薬師岳から太陽が昇ってくる。

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 黒部五郎岳へ向かう道と薬師沢へ向かう道の分岐点。薬師沢や高天原にもテン場があれば,もっと多彩な縦走プランが描けるのに・・・ 

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 チングルマが咲いている。

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 ハクサンイチゲもたくさん咲いていた。

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 少し行ったところから振り返る太郎兵衛平。こうしてみるとすばらしいロケーションに小屋が建っているのが解る。

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水晶岳方面

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 三俣蓮華岳方面

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 涼しげな川の流れる音が聞こえてくる。あれ?もう薬師沢出合?? いくら何でも早すぎるので地図で確認すると左俣出合という場所だ。左俣が薬師沢に合流するのだ。
 写真奥の橋は丸太を結わえてこしらえてあり,不安定でスリルがあった。

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 このあたりのチングルマは花が散ってモジャモジャに。それに付いた朝露が光って綺麗であった。

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 ニッコウキスゲもたくさん咲いていたが,ピークをやや過ぎている。

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 下りの傾斜が緩やかになりカベッケヶ原という場所に出る。変わった地名なので由来を調べてみると,お化けが出る「河化けヶ原」が変化したとか,カッパが出るからだとか・・・ 地名はともかくなんて気持ちのいい場所なのだ。
 ここも木道が整備されていて天国。(実はこの後に地獄の登りが待っていた。)
 笹の原っぱの向こうには何やら白い煙が立ち昇っている。もしかして薬師沢小屋?

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8:10 薬師沢出合に到着。薬師沢が黒部川本流に流れ込む場所である。薬師沢小屋にザックを置いて河原に下りてみた。奥ノ廊下と呼ばれる清流は青く美しく,地図に水マークがあったのでシェラカップで水を掬ってゴクゴクと飲んだ。ついでに顔を洗って体温を下げる。気持ち良過ぎである。イワナ泳いでいないかなー・・・
 小屋の入り口にあった黒板にはイワナを釣ってもリリースを!と書いていてあった。えー!釣ってもいいの!?

 下の写真を撮った場所の更に上流には10名ぐらいの方々が休憩していた。最初は釣り人かと思ったが,装備を見てみると沢ヤのパーティだった。みんな沢足袋を履いている。スゲえなあ・・・

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 薬師沢出合は清流が気持ちのいい場所なので30分も長居をしてしまった。
8:40出発 これは薬師沢小屋から黒部川に架かる吊橋。揺れるし,縞鋼板の足場は幅狭すぎるぞー。

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 対岸に渡って薬師沢小屋と吊橋を撮影。小屋の高さは橋と同じレベルだ。増水時はどのあたりまで川面が迫るのだろうか。想像するとちょっと怖い。

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 黒部川を渡るといきなり急登が始まる。三点支持が必要な箇所もいくつかあり,ゴロゴロとした岩の道がこれでもかと言うほど続く。おまけに木の根っこが邪魔なこと・・・

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 樹林帯であるにもかかわらず意外に涼しかったが,雲ノ平へは,ずーっと登り一辺倒でかなりキツイ。
 途中で,長い白髭のお爺さんとそのお孫さんと思われる二人を追い越した。いったいお爺さんはいくつなのだろか。体力あるぜ!

 歩くこと一時間,今回の行動食のひとつ「フルーツたっぷりグラノーラ」を口に放り込む。水分が無くてもそれなりにバリバリと食べられ,9種類のビタミンが入っているので汗をかく山行には適していると思う。
 
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 やがて斜面が緩やかになり木道が現れた。ついにキツイ登りも終わりなのである。
10:50 雲ノ平の一角,アラスカ庭園に到着。正面には水晶岳が見える。でも何故ここがアラスカなのか・・・

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 ここからは気持ちのいい散歩道だ。背の高い針葉樹が多少邪魔ではあるが360度見渡すことができる。周囲は豪華!北アルプスの名峰だらけである。ホント北アルプスのド真ん中だ。来て良かったー!!

 北を眺めれば,立山の奥に剱岳,右奥には白馬三山が並んでいる。

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 再び穂先を見せた槍ヶ岳,北アルプスに登ると何となくこの山を探し,見つけると小さくてもついシャッターを押してしまうのだ。

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 こちらは笠ヶ岳,槍ヶ岳あたりからこの山を見ると両翼を広げて雄大に見えるが,ここから見る笠ヶ岳は槍ヶ岳と見紛うほど尖って見える。まだ登ったことはないが播隆上人が槍ヶ岳開山を決意した山,いずれ登って山頂から槍ヶ岳を望んでみたい。
 ちなみに画面左の小さな赤い点は黒部五郎小屋である。

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 これぞ雲ノ平! 「雲上の楽園」とか「日本最後の秘境」と呼ばれる所以がよく解る。写真で表現するのは難しいがここを歩けば理解できる。目の覚めるような青い空,尾瀬などととは異なる凛とした静けさ,急登で疲れているはずの脚が軽い軽い。

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11:25 私の地図には記載がなかった「奥日本庭園」という場所に出た。何故日本?周囲を見回すとハイ松が多い。するとさっきのアラスカは針葉樹が多かったから?
 ここはアラスカ庭園よりもさらに展望が良い。周囲の山がぜーんブ見える。奥日本庭園サイコー!

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 水晶岳方面

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 赤牛岳方面 左は立山だと思うが,ここにいると山の位置感覚が狂い,ごちゃごちゃになってしまう。(笑)

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 黒部五郎岳方面

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 北ノ俣岳方面 白い雲が浮かんでよい感じ。

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 薬師岳方面 右は立山

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 奥日本庭園を堪能したら,祖母岳に向かい一旦下っていく。といっても緩やかな下りだ。
 画面の左が祖父岳(ジイダケ)で,右の丘(半分切れてしまっている)が祖母岳だ。ジイダケの読み方は知っていたが,祖母岳はバアダケと読むのか・・・ 帰宅後に調べるとやはりバアダケだった。(笑)

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 下りきったところに本道から祖母岳への分岐がある。ここには沢が流れていて沢沿いはチングルマとハクサンイチゲのお花畑だ。下界なら雑草だらけでこうはならない。山ってすごい。

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 分岐を祖母岳に向かう。建て替えられたばかりの雲ノ平山荘が見えてきた。バックには水晶岳が大きい。いい場所に建ってるなー。絵になるなー。

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 本日の宿泊地はまだ先だ。正面に見える祖父岳の麓にキャンプ場があるはず。

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 祖母岳山頂付近から

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 赤牛岳 あの稜線も歩きたい!

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12:00 祖母岳山頂に到着
 ここの展望も最高だ。しかも私ひとりしかいない。まさに楽園である。
 ここで,またまた勉強不足を露呈する。地図にはアルプス庭園の存在を認めていたが,祖母岳そのものがアルプス庭園だとは登って初めて知った。(汗) だが登る前に詳しく調べすぎると,こんな発見も少なくなってしまう。これでいいのだ。(笑)

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 再び槍が見えたのでまた撮ってしまう・・・

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 山頂は休憩所になっている。気持ちのいいこの場所で昼食にすることにした。
 ジャーん・・・「シダのいわし角煮」なのだー!(地元ネタでスミマセン・・・) アルプス庭園でこれを食したのは私が初めてかも知れない。ウマーし!!

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 アルプス庭園はあまりに気持ちがいいので30分も休憩をしてしまった。
 休憩途中にひとりだけ他の登山客がやってきた。三十代後半くらいの彼は,私とまったく同じ行程でここまで来たらしい。やたら薬師沢からの登りが辛かったと嘆いていた。明日以降は何処に向かうのか尋ねてみると「読売新道」に行くとのこと。
 実は私もこの時点では読売新道に挑戦したい気持ちが満々であった。水晶岳から先は歩いたことのない稜線だし,10時間以上も歩かなければならない水無し尾根を征服すれば相当な達成感があるだろう。
 一方で裏銀座を烏帽子小屋まで行き,もう一泊追加して不動岳,船窪岳へと足を延ばしたい誘惑にも駆られる。うーん,葛藤だ! いずれにしてもキャンプ場の受付時までには明日の予定を決めなければならない・・・

 そんなことを考えながら祖母岳を後にすると,長い白髭のお爺さんと一緒だったお孫さんと再会した。すると孫ではなく「息子」で4人兄弟の一番下だそうである。失礼しましたー! そのお父さんは祖母岳には登らず本道の分岐で休憩していた。失礼ながらお歳を聞いてみるとまだ69歳だとのこと。これまた大変失礼しました!! それにしても仲の良い親子でほのぼのです。

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 本道に戻って沢沿いの木道を進む。辺りはお花畑。
 それにしても昨日のうちにここまで来てしまおうだなどど,大それた行動をしなくて本当に良かった。そんなことをすれば,この素晴らしい雲ノ平を楽しむ余裕などなかったはずである。

 2010年に建て替えられたばかりの雲ノ平山荘が近づいてきた。

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12:55 雲ノ平山荘に到着 早速テントの受付をするのだが,前述のとおり明日の行き先をどこにするのか気持ちの整理がついていない。えーい,自分で決められなければ誰かに決めてもらおう! 小屋で働いている方に様子を尋ねてみる。

私:「読売新道の状態はどうなっていますか?何日か前に崩れて修復したと聞いていますが。」

小屋の方:「荒れていると思います。通れないことはないと思いますが読売新道はこのあたりで一番危険な道です。毎年のように亡くなる方がいらっしゃいますし,お勧めはしません。」

私:「では,明日は裏銀座を通って烏帽子小屋のキャンプ場を目指します。」・・・(汗)

 こんなやりとりであれだけ悩んでいた明日の予定が簡単に決まってしまった・・・ まあ,読売新道に挑戦するならもう少し荷を軽くして,読売新道そのものをメインにした計画でなければ厳しいとも思うので少しホッとしたり・・・
 読売新道はまたの機会にチャレンジと言うことで!(笑)

 ところで,地図にはギリシャ庭園と書いてあるのだが,ここがギリシャ庭園??

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 雲ノ平山荘は新しいだけあってさすがに綺麗だった。テントの受付をするのと同時に缶ビールを2本購入。1本はすぐに飲みたいから。もう1本はキャンプ場にテントを張ってから飲むために。
 小屋の外でビールを飲みながらまったりしていると,祖母岳の山頂で会った方が到着した。「読売新道,危ないそうですよ。私はやめにしました。」と伝えると,彼は悩みながら受付に行き,私と同じようにビールを片手に戻ってきた。「とりあえず読売新道に行くことにします。」とのこと。

 さてと・・・ 山ノ神(家内)に今夜の宿泊地と明日の予定を伝えておかないとうるさい。2年前の上高地~室堂の縦走時,ケータイが通じないために連絡が取れなかった翌日,到着したスゴ乗越小屋に「○○様,到着しましたら大至急ご家族に連絡してください!」と大きな張り紙が出されていて恥ずかしい思いをした・・・
 小屋の情報によると,ここでは電波の状態が悪くケータイは使えないが,高天原方面に15分ほど登ったところに大きな岩があり,そのあたりならドコモのケータイに限って通じるとのこと。

 多少面倒くさいけれど,昨日の反省からまだテントを張ってのんびりするには少し早い。ザックを置いて高天原方面に向かう。登る途中に,何やら「ガサガサ,ガサガサッ」と聞こえるので,音のするほうを振り返るとなんとヒキガエルではないか!こんなところにヒキガエルなんているのかな。もしかしたら違う種類なのかもしれない。

 大きな岩はすぐに見つかった。たしかに電波状態が良好である。山ノ神に今夜の宿泊地と明日の行動予定を伝えて事なきを得る。(笑)
 ところで,電波が良いということはロケーションが良いわけで,ここからの眺めは素晴らしかった。

 あれは,挑戦したかった読売新道の稜線 次は行くから待ってろよー。

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 水晶岳が目の前にどーん!!

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 雲ノ平山荘も見下ろす感じだ。たかが往復30分をケチったらこれらの風景が見られないところだった。

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 あれはナンだろう? 発電施設には間違いないようだ。プチダム??

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 再び本道まで戻る。エンジンブレーキって何だ? 車ではないわ!

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 溶岩台地というだけあって岩がゴロゴロしている。キャンプ場に向かって沢沿いを歩く。

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 コバイケイソウの群生だ。花が咲いたらすごく綺麗だろう。

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 あ!見つけた。本日の宿泊場所である。祖父岳の麓にカラフルなテントが見えてきた。
 今日の行程もけっこう長かったな。一日でここまで来ようなんて大それたことをしなくて良かったな・・・

2:15 キャンプ場に到着

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 初めての雲ノ平でのキャンプ。多少水場やトイレが遠くてもできるだけ気持ちのいい場所を確保したい。よく観察して満足のいく場所を見つけてテントを設営した。
 実は下の写真の右奥に張られたドマドームの彼が面白かった。言葉に少し訛りのある若者は岩手県在住で,クビを覚悟で1ヶ月間の休暇をもらい車で北アルプスまでやって来たそうだ。一昨昨日までは剱岳と立山を登り,1日休憩した後,折立からこのエリアに入ったそうである。翌日はここにテントを張りっぱなしにして高天原温泉をピストンし,次に黒部五郎岳を経て折立に戻る。その翌日は常念山脈を縦走し,それが終われば中房温泉から表銀座を上高地へ,余裕があれば後立山連峰を縦走して・・・
 要するに1ヶ月の休暇で北アルプスの主稜線を全部歩くつもりで出てきたらしい。岩手に帰ったらクビになっているかも知れないと言っていた。(汗) 凄いぞ若者よ!そんな君を応援するぜ!

 雲ノ平小屋で購入したビールを冷やすため・・・ いや,夕食の水を汲みに行くためであるが水場に向かった。水は恐ろしく冷たくて10分もかからず缶ビールはキンキンに冷えた!ついでに頭から水をかぶった・・・ 冷た!!
 
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 あー・・・ 今日の行程は良かったなー。。。雲ノ平ホントよかった。。。
 人気の北アルプスでもこのエリアは人が少ない。落ち着けるし,景色はサイコー。黒部の山賊になりたい・・・

 キンキンに冷えたビールを飲みながら,隣の岩手から来た彼と話していると,そのまた隣にテントを張った女子二人組のうちの一人から突然のブレイク!
 彼女は,岩手訛りに敏感に反応したらしく,どこの出身ですかと聞いてくる。彼が出身地を丁寧に説明すると,なんと彼女と同郷らしい。話し込んでみれば20キロ圏内にそれぞれの実家があるとのこと。偶然とは恐ろしい。まさかこんなところのテン場で・・・

 夕方は,野菜やソーセージをフライパンに放り込んでケチャップを入れて炒める。今度はこれをそのままにしておいて,別の鍋でパスタを茹でて合流させた。ウマーし!!

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 さて,明日の予定は烏帽子小屋までだ。長い行程だが天気さえ良ければ問題ないだろう。その翌日は船窪小屋まで行ってやろう。そしてそしての翌日は針ノ木雪渓を下って扇沢まで縦走してやろう・・・ などとテントの中でワイルドターキーを片手に地図を眺めながら妄想を膨らませるのであった・・・ オヤスミナサイ。

(3日目へと続く・・・)

 

2 Comments

mont-denden says...""
雲ノ平って,傑出した景色(作品的に)とか,やったぜ!とかいう達成感はありませんが本当に落ち着けるところですネ。 とにかく他の山域にはない独特の雰囲気がいい,私は一発で好きになりました!

テン場での出会いも山小屋に負けず劣らず楽しいです。 まずは「お隣失礼しまーす。」とお声がけ。 あとは趣味が共通の者同士,自然に盛り上がってしまいます。(笑)
2012.08.15 23:37 | URL | #- [edit]
m109 says...""
薬師沢からの登りはホントきついですよね!
私の中では今シーズン最大の急坂・・・。
裏銀座のブナ立尾根よりもきつく感じました。

雲ノ平の水は私のお気に入りです。
この水を飲みたくて、再び雲ノ平に行ったようなものかも(笑)
もちろん景色や雰囲気も好きです。
テントを買ったら、ここのテン場に泊まりたいです。
2012.08.15 21:21 | URL | #- [edit]

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