denden's 山紀行

山と自然を愛するmont-dendenが綴る山ログ since 2010

雲取山・飛龍山(2日目)

山行日:2012年5月19日(土)~20日(日)
ルート:鴨沢~堂所~七ツ石山~雲取山~雲取山荘テント場(泊)
     ~雲取山~三ツ山~飛龍山~熊倉山~サオラ峠~丹波天平~親川~お祭~所畑
メンバー:mont-denden(ソロ)

 地面がナナメっている割にはよく眠れた。昨日に続いてまたまた朝5:00起床である。やはり遅い目覚めだけど本日は既に山にいるので慌てない。おーし!まずは腹ごしらえだ。
 朝食は,お気に入りのフライパンで作った。昨日のうちに戻しておいたアルファ米は冷たいので,フライパンにバターを溶かしてバターライスに。目玉焼きの味付けは塩コショウのみ。余ったスペースでシャウエッセンを同時に焼いた。最後にインスタントだけどコーヒーも飲んだ。
 メシ多すぎ!朝からハラが一杯になってしまった・・・

<2日目はこんな感じで始まった。>
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 朝食を済ませてゆっくりテントを撤収してたら,出発が6:10になってしまう。
 雲取山荘を後にして再び山頂へ向かうと,何やら「鎌仙人のレリーフ入口」のサインが・・・ 少し横道に入ったところにレリーフがあった。ところで鎌仙人でだれ?
 帰宅してから調べたところによると,富田新道を拓いた人で雲取山荘の初代管理人だそうです。

<この人が鎌仙人!>
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<昨日も登った山頂へ>
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 山頂からの眺望は,朝だけに昨日より大分マシだった。奥秩父の山々や富士山もよく見える。なんとか南アルプスも見える。気がする・・・

<左が飛龍山で右が三ツ山>
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<奥の3つのピークの真ん中が甲武信ヶ岳>
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<富士山!手前は大菩薩連嶺>
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 山頂で適当に写真を撮ったら,昨日登って来た道を下るのではなく西の稜線を行く。
 当初の予定では,ここから三条ダルミ経由で三条の湯まで下り,ビールを飲んでから後山林道をお祭まで歩いて国道に出る予定だった。
 でも,まだ時間はたっぷりあるし勿体無いなと・・・

<三条ダルミ>
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 三条ダルミは,三条の湯へ下る道と,奥秩父主脈縦走路~飛龍山へ続く道との分岐だ。うーん・・・どっちに向かおう,葛藤だー。
 悩んだ挙句,やっぱりここで三条の湯へ向かっては負けだ。今年は辰年だし私も辰年生まれ,その龍が飛ぶという名の山! 飛龍山へ向かうことにした。水も食料も十分である。

<振り返ると雲取山の頂が見えた。>
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 奥秩父主脈縦走路と地図に記載されたこの道は,アップダウンがほとんど無くとても歩きやすかった。全体的に南斜面をずっとトラバースする道だ。標高が2000m近くあるので樹々はほとんど葉を付けていない。明るくて暖かく,隙間から周囲の山々がチラチラ見えて気持ちがいい。

<時々稜線にも出る。>
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<たぶん狼平という場所。なぜ狼?コケが狼の毛だから?>
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<左手には富士山>
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 狼平を過ぎると緩やかに傾斜が増して,前方には三ツ山と思われるピークが出現。三つの頂があるから三ツ山というのだろうが,近づくにつれて徐々に険しさを増してくる。

<三ツ山>
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<険しいけれどよく整備されている。>
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<たぶん,ここが見えていたピークだ。>
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<今日の目標の飛龍山が近くなってきた。枝に隠れている頂は前飛龍山?>
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<画面の上から3分の2に見える尾根は本日下る?天平尾根>
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9:25 北天のタルと呼ばれる分岐に到着。ここでカレーパンを食べて腹ごしらえ。
 それにしてもである。三条ダルミからここに至るまで出会った人は1名のみ。奥多摩小屋付近のテントの若者や,雲取山荘の大勢の登山者はいったいどこへ消えてしまったのだろう。あの喧騒がウソのような静けさだ。

 そして,ここからまたしても三条の湯に下る道があった。もちろん下ればビールが飲める。そうだここに荷物をデポして飛龍山をピストンし,三条の湯へ下ってビールを飲むというプランがあるではないか。
 いや,そんな軟弱ではダメだ。ここは男らしく重い荷を担いだまま飛龍山へ進むべきだ。再び葛藤・・・
 悩んだ挙句,前へ進むことにした。

<北天のタルって由来は何だろう。ケンシロウと関係ある?>
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<北天のタルを過ぎると急に登山道が狭くなった。>
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<飛龍山の巻き道から見えた雲取山>
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 少し歩くと,三条ダルミ以降二人目の登山者とすれ違い挨拶を交わす。さらに進むと60歳くらいの夫婦に追いついた。何やら地図を見ながら悩んでいる様子。
 「この道から直接飛龍山の山頂へ行く道を知りませんか?」と聞かれる。え?このルート上に飛龍山があるんではないの?と完全に勘違いしていた私は焦りながら自分の地図を見直す。あれ!このまま進んだら飛龍山の東側を巻いて南側の分岐点まで進んでしまうではないか。その分岐点から飛龍山を登り返すには往復40分のコースタイムだ。そんなことをしなくても東側の巻き道から頂上へ直登できる道があるというのだ。その道はたしかに地図に破線で示されていた。夫婦はその道のことを私に尋ねてきたのである。はっきり言って尋ねる相手を間違えている!

 結局,夫婦も私もその道を見つけられずに飛龍山南側の分岐にたどり着いてしまった。
 「荷物をここに置いてピストンしてしまえば,40分なんてかからないですよ。」と私。そう言い残してカメラだけ持って飛龍山山頂に向かう。ザックがないので軽ーい

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 飛龍山山頂は木に囲まれて展望なし!雲取山よりこちらのほうが60mほど標高が高いんだけどな。まあ,これは途中で追い越した方から教えていただいていたので問題ではない。代わりに南側分岐から5分ほど下ったところに禿岩という場所があって,そこからは西側の眺望が抜群だという。

<23:10 飛龍山山頂>
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 空身なのでスイスイと往復し,要した時間は結局25分だった。

<分岐にあった飛龍権現>
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 さて次は禿岩を見つけなければ! よーく気をつけて進むも,しかし・・・またしても禿岩を見逃してしまった。 あーあ,行き方をよく聞いておけばよかったよ。でも樹々の間から西側を望むことができた。
 ここからは,長い長い下りが待っているはず。覚悟せねば。 

<写真では分かりにくいけど,いきなり急坂に。>
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<左端が鷹巣山,中央奥が大岳山と御前山?>
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 下るばかりかと思っていたら結構な登りが待っていた。そうだ,前飛龍山が残っていた!

<前飛龍山です。展望はまったくない・・・>
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<これはいったい何?三峰博物館野生動物調査とテプラで貼ってあった。私の顔写った?>
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 南側の眺望も開け,大菩薩連嶺が近く見えてきた。山仲間であり,このブログの数少ない読者のひとりであるm109さんが本日大菩薩嶺に登っているはず。おーい○○ちゃんあたま見えたぞー!

<右端がたぶん大菩薩嶺>
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 この辺りからは下る下る。ミサカ尾根と呼ばれる急坂の尾根道である。背負ったザックの重さが膝に優しくない。

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 ようやく勾配がゆるくなり,歩き易くなってきた。このあたりで標高約1600m,まだ新緑には少し早い感じである。

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 地図によると,もうひとつピークがあるはず,登るための力はあと僅かしか残されていない気がする・・・ 腕に巻いたプロトレックによると30mほどの登りであることが分かり安堵する。

<12:20 熊倉山(火打岩)に到着。まったく山頂って感じはない。>
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 熊倉山を過ぎた辺りから何やら雰囲気が変わってきた。ブナや楓の新緑が森の清涼感を醸し出している。
 この森の中でコロッケパンを食う。

<マイナスイオン出てる。死語?>
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 そういえば,「多摩川流域は東京都の水源であるため大切に守られてきた。そのため奥多摩にはゴルフ場も無い。」とガイド本で読んだ。たしかに驚くほどの自然が残されている。
 奥多摩には,娘たちがまだ小さいころキャンプにやって来た経験があるものの,ここまで山深いところまでは来たのは初めてだ。奥多摩ってこんなにも良かったんだ!

<感心するほど大きなブナが残っていた。>
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12:45 サオラ峠に到着。ここは丹波山村の中心地から三条の湯へ向かう道と,私が歩いてきたミサカ尾根との交差点だ。
 ところで,飛龍山で一緒だった夫婦のほか,ここに到着するまでに出会った方は5分前にすれ違った若者が1名のみ。何故こんなに人が居ないのか・・・ でも静かな森は静かに楽しみたいとも思う。

<小さなお社があった。>
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<地図ではサオラ峠,この道標ではサヲウラ峠。この変わった名前の由来は?>
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 サオラ峠は,峠なのだからここから多少の登りは覚悟していたが,ミサカから天平(デンデイロ)と名を変えた尾根はとても歩きやすく,下っていくほどに新緑も濃くなってくる。
 60代半ばくらいの4人のパーティーに追いついた。熱心に写真を撮っているので何を撮っているのか聞いてみる。するとブナの実生(みしょう)とのこと。ブナが育ちにくいといわれる現代の環境の中で,奥多摩ではいくつか見つけることができた。

<ブナの実生>
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<カラ松の新緑も綺麗だ。>
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<何やら大勢の人がいるなあ?>
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13:20 丹波天平という森のT字路に到着。ここへも丹波山村の中心地から一本道で登ってこれる。ここにいた大勢の登山客は,たぶんそちらから登ってきたと思われる。
 サオラ峠からこの丹波天平の間はアップダウンがほぼ皆無で歩きやすく,さわやかな森林浴が味わえる。もしかしたら人気のハイキング(というかピクニック)コースなのかも知れない。きっと秋には,ブナや楓,カラマツといった樹々の葉が美しく染まるだろう。秋にもう一度訪れてみたいと思った。

<丹波天平の道標>
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 いいかげんに疲れてきた!長い・・・この下りは長いぞー。すでにへこたれ気味である。
 しかし,丹波天平から丹波山村中心地に下ってはいけない。車が止めてあるところに行くには,この尾根が終わる親川まで歩かなければ・・・

<ますます新緑が濃くなって綺麗。>
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<大きなブナの幹に何やら古い文字が刻まれていた。熊を倒した日付か?>
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<今度は赤松の森に変わった。変化に富んでいる。>
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 アップダウンが少なく広くて歩きやすかった道も,この辺りから急に勾配がきつく道も細くなってきた。時刻は14時を回っているので,かれこれ8時間は歩いた計算になる。ここまで来ると「山を楽しむ」よりも,「早く歩くのを終わりにしたい」が優先してくる。もう足も肩も音を上げそう。
 ・・・とその時,見えた。終点だーーーーー! でも車まではどのくら歩くのかは見当がつかず。あの上のほうの道を登ることにならないよう祈る・・・

<ようやく終点?が見えた。>
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 先ほど見えた道路の高さから推測して,この辺りはまだ結構標高があると思うのだが,古い建物が現れた。地図には「廃屋跡」の記載が・・・ 玄関には比較的新しいアルミサッシが付いている。このほかにも建物はあり,周囲には洗濯機などの家電や一升瓶などが転がっていた。何の建物だったのだろうか。旅館?

<廃屋跡>
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 そして14:40,ついに親川登山口に到着!長かったー。昨年の秋に行った八ヶ岳も美濃戸から登り,阿弥陀岳,中岳,赤岳,横岳,硫黄岳を回って美濃戸に戻る1泊のループコースだったが,今回のループコースのほうが体力的には絶対ハードだと感じた。奥多摩は低くても高い山って本当である。実感。

<登山口に到着!>
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 さてと・・・ 車まで国道を歩かなければ。この道はバイクが多い。地を揺るがす排気音を立てながら若者たちが元気良くかっ飛んでいく。
 10分ほど歩いたところで地図にも載っているお祭山荘が現れた。バス停の名前もお祭だ。丹波山村では古くから伝わる伝統的なお祭りが盛んに行われてきたそうである。

<お祭山荘,バス停の名前もお祭>
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15:08 あの正面に見える白い車は・・・
 ワシのじゃー!着いたー,終わったー。もう歩かなくてもいいのだ。ばんざーい

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 ん? 車を止めた道の反対側に,草で隠れてはいるが山側へ登る道がつけられているではないか。道路の曲がり具合などから地図で現在地を確認してみると・・・
 えー,ここっ所畑じゃん!! そう,鴨沢(1日目の登山口)まで国道を歩かなくても,ここから小袖乗越へショートカットできたのだ。一日目にこの登山口を探しながら鴨沢まで歩いたのに,実は車を止めた場所がそうだったなんて・・・

 それにしても今日は本当長い行程だった。いろいろ詰めすぎてザックが重かったからなのか,シーズン最初の本格的山行だったせいなのか,本当にくたびれた。疲労困憊である。ああ,ゆっくりと湯に浸かろう・・・
 車に残しておいたガイド本で温泉情報を確認。「奥多摩温泉・もえぎの湯」というのが載っていたのでナビに電話番号をインプット。しばらく国道を走ると「もえぎの湯,トンネルの手前を右折」という看板が出てきた。右折するとすぐに左に「もえぎの湯入り口,歩いて橋を渡る」と書いてある。
 ん?駐車場はどこ?見回しても見当たらない。もう少し進めばあるかも知れないと思い,車をさらに走らせて見る。無い・・・ もしかして,車で行く場合は国道を右折せずに真っ直ぐ進めばよかったのか,ナビもそう示していた。今走っている道が再び国道と合流するのでそこで国道を引き返そう。きっと国道沿いに温泉があるのだ・・・

 そして引き返した。無い・・・ トンネル手前に看板が出てきた。「もえぎの湯,トンネル出口を左折」
 トンネルを出て最初の信号を左折すると・・・またしてもさっきの道じゃん 今度は手前から慎重に駐車場を探しながらゆっくり車を進める。無い・・・1周してここに戻るまで約10km。ぶちっと頭のなかで何かが切れた!もう知らんわ,温泉なんか要らん! そして国道を八王子ICへ向かった。
 こうして踏んだりけったりで雲取山・飛龍山登山は終わったのだった・・・

<追記>
 八王子ICの手前で「湯ったり館入り口」という小さな看板を発見し,市営の温浴施設でゆっくり汗を流すことができた。 

2 Comments

mont-denden says..."Re: お疲れ様でした!"
いや,マジでこのコース長いですよ,達成感ありました。でも歩いてよかった。
デンデロ(地元風に)尾根は本当に素晴らしいですね。秋の登山同好会山行にもお奨めです。

トラウマ? あれ,m109さんのレポートによると,この辺りのクマは人を見ると逃げていく・・・
のではなかったかな?(笑)
それでも,不安だったらfujiとか連れてけば倒してくれますよ。(爆笑)
2012.05.27 22:07 | URL | #- [edit]
m109 says..."お疲れ様でした!"
2日目は長いコースですね~。

サヲウラ峠やでんでえろ尾根のブナの森はとても素敵です!
このあたりの紅葉はけっこう有名みたいで、紅葉シーズンはたくさんの人が訪れているようです。

秋のでんでえろは、私も一度歩いてみたいと思っているコースです(^^♪
でもちょこちょこ熊が目撃されている場所なので、ご注意ください!
(これがネック・・・冬の出来事がかなりトラウマになっています・・・)
2012.05.27 20:32 | URL | #- [edit]

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